【第1弾】欧州省エネ建築視察2015
Dotプロジェクト スイス オーストリア省エネルギー建築視察レポート2015
【視察の目的】
●「ベルン 建築エネルギーメッセ」にて温熱環境のトレンドを把握
●スイスにおける窓のトレンドを把握
●ヨーロッパの歴史的建築を見学する事で真の「経年美」「歴史を重ねた街なみ」の体感
●パッシブデザイン住宅を見学し「外観における窓の相関関係」を学ぶ
●各地の市街地にて一般住宅の木製外壁を見学、意匠の参考とする画像に残し今後のプレゼンに活用
●エネルギーPエコ認証ホテル宿泊により快適性を体感(ペンションカベート)
●ツアー参加者の中で今後の繋がりが持てる関係性の構築
【建築エネルギーメッセ(スイス:ベルン市)】
首都のベルンで毎年開催される住宅建設・エネルギーメッセを視察した。この展示会は、もともと施主及び地域の業界向けの「ミネルギーメッセ」として始まったものであり、省エネ改修に対応する建材、構造、建築家、再生可能エネルギー源を中心に展示されている。以前視察したドイツのミュンヘンバウとは比較にならないくらい規模は小さいが、ミネルギー住宅を建てる為の建築資材(窓、断熱、気密等)と設備関連(太陽光、大洋集熱器、薪ボイラー、換気など)を中心に展示されている。また、ミネルギー連盟やパッシブハウス振興会も普及啓発のために出展している。以前訪問したミュンへンBAU同様、窓の展示は少なく、数値競争は終了し壁の断熱システム、革新的な設備の展示が多い。
折り畳み可能な移動型ソーラーパネル
外部会場の木質材の展示:木質バイオマス関連の展示方法がユニークです
木質の日射遮蔽スクリーン、耐久性が気になるが日射を遮りながら外観
【マルセル邸 ミネルギーPエコ戸建住宅】
ミネルギーPエコとは スイスにおける省エネルギー建築認証制度基準でミネルギーP(パッシブハウス基準に相当するスイス最高レベルの基準)とミネルギーエコ(エコバウ認証)双方を満たす建物の認証であり、省エネルギー性とエコロジー性や健康性との両面を満たすことを示す。
構造は60×200ミリの柱に軟質ウッドファイバーをを充填、外部に同素材を100ミリ付加断熱し室内側に60ミリの配管スペースを設け気密の欠損を最小限に抑えている。(壁のU値は0.1)「環境意識の高い建築家の方に多くの事を教えて頂きました。通常は家具に予算をかけるが私たちは建物の性能に費用をかけました」という施主、テハダさんのコメントが印象的でした。
赤い木製ルーバーの意匠が壁厚は400ミリ 玄関脇にミネルギー認定のプレートが表札の様に貼られている。
全ての窓には枠一体の外部ブラインドが付き日射遮蔽を行う。
温熱的に不利だが快適性を損ないたくないと北面に設けた窓。北面だからこそ窓の性能が問われる。
南面には高性能トリプルガラスの大開口サッシが並ぶ。
壁厚400ミリ断熱性能とエネルギーアドバイザーの設備設計により送水温度30度の熱源のみで快適な環境が得られている。
体感が温熱環境を学ぶ近道てある事を再認識した。
・・・つづく 次号お楽しみに!